経理が転職しやすい理由とは?市場動向や成功ポイントも解説

公開日:2026.05.26

最終更新日:2026.05.26

経理が転職しやすい理由とは?市場動向や成功ポイントも解説

経理部門で働いているものの、「このままでいいのだろうか」「入社から数年が経って任される業務は増えた一方で、この先のキャリアがはっきり見えない」と不安を感じていませんか。

経理職は専門性が高く、転職市場でも需要が高い職種です。

一方で、どのタイミングで動くべきか、どのようなスキルが評価されるのか、今後どのようなキャリアを描くのかを見誤ると、せっかくの機会を逃してしまうこともあります。

本記事では、経理が転職しやすい理由から最新の市場動向、転職成功に向けた具体的なポイントまで詳しく解説します。あなたのキャリアを見つめ直し、次のステップを考える参考にしてください。

記事の監修者

CPAエクセレントパートナーズ 松岡宏紀

松岡 宏紀

2007年、公認会計士試験に合格。EY新日本有限責任監査法人にて、監査・アドバイザリー業務に加え、社内外での研修講師や研修プログラムの作成・管理などに従事。現在、CPAエクセレントパートナーズ株式会社において、コンテンツの作成、監修を担当。


経理は引く手あまた?経理求人が多い理由とは

経理は引く手あまた?経理求人が多い理由とは

経理職は転職市場において一定の需要がありますが、「引く手あまた」と言えるかどうかは、経験年数やスキルレベルによって大きく異なります。

まず押さえておきたいのは、経理ポジションの転職では、目安として3年以上の実務経験が求められる求人が多いという点です。

日次処理から・月次・四半期・年次決算までの一連の流れを理解し、実務として遂行できるようになるには、最低でもおおむね3年程度の経験が必要とされます。

経理求人が多い背景には、いくつかの構造的な要因があります。

経理・財務をはじめとするバックオフィス業務は、すべての企業にとって欠かせない機能であり、企業規模や業種を問わず、常に一定の人材ニーズが存在します。

なかでも上場企業では、会計基準の複雑化や開示制度の厳格化が進み、加えてJ-SOX(内部統制)対応の重要性も増しています。その結果、制度対応に精通した経理経験者への需要は年々高まっています。

こうした状況に対し、即戦力として活躍できる経理人材は慢性的に不足しており、中途採用市場では採用活動が活発化しています。

一方で、転職のしやすさは経験内容や目指すキャリアの方向性によって大きく異なります

仕訳や伝票処理のみの経験にとどまる場合は選択肢が少なくなってしまいますが、決算業務や税務申告、連結決算、開示業務といった専門性の高い経験を有していれば、転職の可能性は大きく広がります。

さらに、上場企業を志向するのか、IPO(新規上場)準備企業で挑戦するのか、あるいは外資系企業でグローバルに活躍したいのかによっても、求められるスキルセットは変わってきます。

自分が市場で何を武器にできるのかを理解し、どこを目指すのかを明確にすることが、経理転職成功の第一歩です。

会計ファイナンス人材特化型の求人サイト「CPA Jobs」はこちら




経理の最新転職市場

経理の最新転職事情

経理職を取り巻く人材ニーズは、企業規模や業種によって状況が大きく異なります

大手上場企業では、制度対応や連結決算の経験を持つマネージャークラスやシニアスタッフの採用ニーズが高い傾向にあります。

また20代のメンバークラスには、将来マネージャー候補として育成する前提でポテンシャル採用もあります。「どの領域の経験を積むか」がその後のキャリアの広がりを左右するのです。

一方でスタートアップやIPO準備企業では、幅広い業務に対応できる経理人材を求める傾向が強まっています。

外資系企業での採用ニーズも増加しています。IFRS(国際財務報告基準)やUS-GAAP(米国会計基準)の知識を持ち、英語でのコミュニケーションが可能な人材を積極採用しており、年収水準も日系企業より高めに設定されるケースが多く見られます。

今後はデジタル化の進展により、データ分析や経営支援といった付加価値の高い業務へのシフトが一段と進むことが予想されます。

財務分析力やシステム活用スキル、戦略的思考力を持った経理人材の市場価値が、より一層高まるでしょう。



経理が転職しやすい時期

経理が転職しやすい時期

経理職の転職には、有利に進められる時期とそうでない時期があります。市場の動向と自身の状況を照らし合わせながら、最適なタイミングを見極めることが重要です。

転職活動が活発になりやすいのは、決算期明けの5〜8月中旬ごろ、そして下半期決算準備が落ち着いた11〜2月です。一方、決算期(日本では3月決算が7割程度)は、経理部門が最も忙しい時期です。

転職活動に割ける時間が限られるうえ、企業側も採用活動が停滞しがちなため、この時期は情報収集や書類準備に充てるのがいいでしょう。

キャリアステージから見ると、前述のとおり経理経験3年以上が一つの目安となります。

決算の一連の流れを経験し、税務申告の基礎を理解している段階であれば、求人マーケットで一定の評価を得られます。

転職活動は通常3か月以内に転職先が決定するケースが多いですが、長期化すると半年から1年以上かかるケースもありますので、希望する入社時期から逆算して準備を始めることが大切です。




経理転職で評価されるスキルや経験|ソフトスキルも重要

経理職の転職では、実務経験や専門知識はもちろん、コミュニケーション能力やマネジメントスキルといったソフトスキルも重視されます。

ここでは、転職市場で高く評価される具体的なスキルと経験について解説します。

経理が転職で評価されるスキルや経験

(CPASSキャリア編集部 作成)




日次・月次決算、年次決算に関する実務経験

経理の基本となる決算業務の経験は、すべての経理職求人で求められる必須スキルです。

日次の仕訳処理や経費精算、月次での試算表作成や予実管理、年次の決算整理仕訳から財務諸表作成まで、一連の流れを理解し実務をこなせることが前提となります。

経営企画寄りのポジションでは、予算編成や予実管理などの管理会計の経験も重要視されます。




連結決算や有価証券報告書・決算短信等の開示資料の作成

上場企業やその子会社での経験の中でも、特に評価されやすいのが「連結決算と開示業務の実務経験」です。

グループ会社の財務データを集約し、連結調整を行ったうえで連結財務諸表を作成する一連のプロセスには、高度な会計知識に加え、関係部署との調整力が求められます。

有価証券報告書や決算短信、半期報告書などの法定開示資料の作成経験も、転職活動で強いアピールポイントになります。

これらの開示資料は金融商品取引法に基づく厳格な規制があり、正確性とスピードが求められるため、経験者は多くの企業で「即戦力」として評価されます。

さらに、東京証券取引所のTDnet(適時開示情報伝達システム)を用いた適時開示や、IR資料作成のサポート経験も評価されやすいポイントです。

外資系企業への転職を視野に入れる場合には、IFRSやUS-GAAPに基づく財務報告の経験があると、より有利に働くでしょう。


税務申告や税務調査への対応

法人税、消費税、地方税などの税務申告業務も評価される経験です。なかでも税理士との連携や税務調査への対応経験は、税務リスク管理能力の証明となります。

特に、グループ通算制度の実務経験、移転価格税制への対応、国際税務の知識などは、グローバル企業や大規模企業グループでの採用において強みとなります。

また、税制改正への対応や節税スキームの立案経験なども、財務部門やCFO(最高財務責任者)直下のポジションでは高く評価されるでしょう。


M&AやIPOに関する経験

M&AやIPOに関する経験

企業の成長戦略に関わるM&AやIPOの経験は、非常にアピールしやすいポイントです。

M&Aでは、デューデリジェンス(DD)への参画、のれんの計算やPPA(取得原価配分)といった買収後の会計処理、PMI(統合後のマネジメント)などの経験が該当します。

IPO準備企業での上場準備経験は、特にスタートアップ企業や他のIPO準備企業への転職において大きなアドバンテージとなります。


コミュニケーションスキル

経理職では、正確な数字を扱うだけでなく、社内外の関係者と円滑にコミュニケーションを取る能力が欠かせません

監査法人や税理士との折衝、経営陣への報告、他部門との調整など、あらゆる場面で適切なコミュニケーションが求められます。

特に、専門的な会計用語を分かりやすく説明する力や、財務データから経営課題を読み解いて提案する力は、経理職としての付加価値を高めます。


マネジメントスキル

経理部門のマネージャーやリーダーとして、チームをまとめた経験は転職市場で特に強みになる要素です。

後輩の育成、業務分担の最適化、プロジェクトマネジメント、部門間調整などの経験は、将来的にCFOや経理部長を目指す上で避けて通れないスキル領域といえます。

マネジメント経験がまだない場合でも、業務改善プロジェクトのリーダー経験や、後輩指導の実績をアピールすることで、マネジメント候補としての素質を示すことができます

特に、業務効率化やシステム導入といったプロジェクトでの成果は、問題解決能力とリーダーシップの証明になります。



会計ファイナンス人材特化型の求人サイト「CPA Jobs」はこちら




経理の転職を成功させるポイント

経理職の転職を成功させるには、綿密な準備と戦略的なアプローチが必要です。とはいえ、すべてを一人で完璧に進める必要はありません。

ここでは、転職活動を始める前に押さえておくべき2つのポイントについて解説します。

経理の転職を成功させる2つのポイント

(CPASSキャリア編集部 作成)

自身の経験やスキルを棚卸しする

転職活動を始めるにあたっては、これまでのキャリアを客観的に振り返ることが出発点になります。

単に「経理経験○年」と年数を数えるのではなく、具体的にどのような業種や業務を担当し、どんな成果を上げてきたのかを整理しましょう。

以下の例として棚卸のポイントを紹介します。ご自身で棚卸を行う際の参考にしてください。

  • 業務内容:「何を」「どのように」「どんな成果」という3つの視点で分解します。例えば、「月次決算を担当」だけでなく、「月次決算を5営業日以内にクローズする体制を構築し、経営会議での報告を3日早めることに貢献した」という形で、具体的な成果まで言語化します
  • 使用している会計システムやツール:SAP、Oracle、勘定奉行など
  • 対応している会計基準:日本基準、IFRS、US-GAAPなど
  • 関わったプロジェクト:システム導入、業務改善、M&A、IPOなど


自己分析では、強みだけでなく弱みや今後伸ばしたいスキルも明確にすることが重要です。

転職先でどのような経験を積みたいのかが明確になれば、企業選びの軸が定まり、面接でも説得力のある志望動機を語れるようになります。




長期的な視点から将来のキャリアプランを立てる

転職は目的ではなく、職業人生を前進させるための手段です。5年後、10年後にどんな自分になっていたいのか、中長期的な将来像を描いておくことが、後悔しない転職につながります

経理職のキャリアパスは多様です。経理部門内でスペシャリストとして専門性を深める道、マネージャーとして組織をまとめる道、財務や経営企画など隣接部門に広がる道、CFOとして経営層に入る道など、さまざまな選択肢があります。

また、事業会社に留まるか、コンサルティングファームや会計事務所に転身するかといった業種の選択も不可欠な視点です。

キャリアプランを立てる際は、年収だけでなく、ワークライフバランス、働き方の柔軟性、学べる環境、企業の成長性なども考慮しましょう。

20代後半であれば、多少ハードでも成長できる環境を優先する、30代で家庭を持つ場合は安定性や勤務地を重視するなど、ライフステージに応じた優先順位の設定が大切です。

現職での経験を最大限活かせる「スライド転職」で年収アップを狙うのか、未経験の領域にチャレンジして将来の選択肢を広げるのか、現職で経験を積み専門性を高めるのか、戦略的に考えることが成功への近道です。





経理転職で悩んだら「特化型転職エージェント」にご相談ください

経理転職で悩んだら「特化型転職エージェント」にご相談ください

経理職としてのキャリアに漠然とした不安を感じているなら、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。

特に会計ファイナンス人材に特化した転職エージェントは、業界の最新動向を熟知しており、あなたに最適なアドバイスを提供できます

CPASSキャリア」は、公認会計士をはじめとする会計ファイナンス人材に特化した転職支援サービスです。

豊富な実績を持つコンサルタントが、大手上場企業、外資系企業、IPO準備企業など、多様な選択肢の中から、あなたのキャリアビジョンに合った最適な求人をご提案します。

経理職の転職では、長期的なキャリア設計がカギを握ります。

「CPASSキャリア」では、現在のスキルや経験の棚卸しから、5年後・10年後を見据えたキャリアプランの立案、職務経歴書の添削、面接対策、年収交渉まで、転職活動の全プロセスを手厚くサポートします。

また、転職すべきかどうか迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。現職に留まることが最善の選択である場合もありますし、今は転職市場の情報を収集する時期かもしれません。

「いつかは動くかもしれないので、とりあえず話だけ聞いてみたい」といったライトなご相談も歓迎しています。

【無料】会計ファイナンス人材特化型の転職エージェント「CPASSキャリア」のキャリア相談はこちら >>



まとめ

経理職は安定した人材ニーズがあり、適切なタイミングと準備で臨めば、キャリアアップや年収向上を実現できる職種です。

すべての企業に必要不可欠な機能であること、会計基準や税制の複雑化、人材不足という構造的要因により、今後も経理の採用市場におけるニーズは高い状態が続くと考えられます。

転職を成功させるポイントは、決算業務や開示業務などの実務経験に加え、コミュニケーション能力やマネジメントスキルといったソフトスキルも磨くことです。

また、自身のキャリアを客観的に振り返り、長期的なビジョンを描いた上で、それに合った企業を選ぶことが納得度の高い転職につながります

漠然とした不安を感じているなら、まずは行動を起こすことから始めましょう。まずは会計ファイナンス人材に特化した転職エージェント「CPASSキャリア」に相談してみませんか?

CPAグループは

CPAグループは
会計ファイナンス人材の
キャリアをサポートし続けます