公認会計士・USCPAをはじめ、会計ファイナンス人材・管理部門人材のキャリア支援に従事して10年目を迎えました。
キャリアサポート=転職支援ではありません。ご自身の経験や価値観を丁寧に振り返って自己分析をしたり、職種や業界のマップやトレンドについてインプットしたり、将来のイメージを一緒に考えてロールモデルを探したり、それぞれの将来像に合ったプランを立てたりと、転職よりも前に取り組んでおきたいことが沢山あります。
「働くこと」「生きること」など価値観がどんどん進化する時代。「キャリア」も多様化し、人それぞれ自分らしいキャリアをデザインしていく、楽しい時代になりました。会計人の皆さんが、人生もキャリアも、自由自在に楽しく乗りこなす、そんなサポートができれば幸せです!
インド育ちの国際的な感性、ドレス販売で培った課題発見力、そして人材紹介の専門性。この多彩な経歴に裏打ちされた視野の広い提案力。そして、人の可能性を狭める壁(ボトルネック)を見過ごせない、自他共に認める「おせっかい」な性質。その双方を併せ持つからこそ実現できる、独自のキャリア支援のスタイルを紹介します。
子供のころ、父が大手商社勤務だった影響でインドに6年間住んでいました。父は朝7時に出社し、深夜2時に帰宅するような猛烈な働き方をしており、幸か不幸か、幼心に「社会人とはこうあるべきなんだ」と思い込んでいましたね。バリバリ働きたかったので、就職活動でもスタートアップ企業ばかり受けていました。
一方で、趣味として打ち込んでいた社交ダンスの世界に貢献したいという気持ちもあったんです。当時は衣装もメイクも洗練されておらず、「もっと良くなるのに」というフラストレーションを抱えていたんですよね。私は昔から「詰まっているもの(ボトルネック)を通す」のが好きな「おせっかい」な性格でして(笑)。一番身近で大好きだった世界の課題を改善したいと、他の内定をすべて辞退してドレス販売の道へ進みました。
Q. ドレス販売から人材紹介業界へ転身された経緯を教えてください。ドレス販売では店長や社長秘書、海外出張まで、3年半で濃密な経験を積みました。社長との距離も近く、議論を重ねる中で経営者の判断基準を学べたと思います。そこで燃え尽きるほど働き、プライベートで節目を迎えていたこともあり、キャリアに区切りを設けました。
そして4ヶ月ほど無職の期間があり、次第に「社会の役に立っていない」という焦りが生じて人材紹介会社に登録しました。 当初は契約社員として働ける職場を探していたのですが、私を担当してくれたエージェントさんが素晴らしい方で、「清水さんは契約社員では満足しない」と見抜いてくださった。そして紹介されたのが、前職の大手人材紹介会社です。
Q. 数ある仕事の中で「人材紹介」を選ばれた理由とは?私は資格を持っていなかったし、勉強も得意ではないというコンプレックスがありました。だからこそ、誰かにすぐに真似されてしまうようなスキルではなく、一人ひとりと深く向き合った経験そのものがノウハウとして蓄積され、自分だけの専門性になるような仕事を求めたのです。私の強みである「人のお世話をすること」を突き詰め、かつ、そうした経験値が専門性になる仕事は何かと考えたとき、人の人生に深く関わる結婚相談所や人材紹介の仕事が、まさにそれだと感じました。
また、この業界に入って、勉強の一環で小説『ハゲタカ』を読んだとき、会計のプロフェッショナルとして働く方々に強烈なリスペクトが芽生えました。さらに、他の士業と比べても、公認会計士は、働く場所・内容・時間・お金を「自由にカスタマイズできる」稀有な資格であることを知り、非常に時代に合っていると確信したのです。この素晴らしい資格を持つ方々の可能性を広げるお手伝いをしたいと、強く思うようになりました。
Q. 10年近く在籍された前職では、どのような点にやりがいを感じていましたか?入社したのは上場直前で、組織が急拡大するタイミングでした。実は、入社当初は8割程度の力で長く続けようと“省エネ”で働いていたんです(笑)。しかし、2年ほど経つと我慢できなくなり、猛烈に働いていました。 とにかく仕事が面白かったのです。
私の根幹にあるのは「人のボトルネックを解消したい」という欲求、そして「会計士の方々が、自分らしく100%の力を出せるように支援したい」という思いです。転職活動は、その方の現状と理想のギャップを埋める作業であり、まさにボトルネックの連続。課題が尽きないこの仕事が、楽しくて仕方がありませんでした。
Q. 「ボトルネック」とは、具体的にどのようなものででしょうか?最も分かりやすいのは、繰り返しになりますが「現状と理想のギャップ」です。そのギャップを埋めるために新たなスキルを習得したり、現職で特定の経験を積んだり、あるいはコミュニケーション能力を磨いたり、といった支援を行います。
また、ご本人がギャップだと思い込んでいることが、実はそうではないと気づいていただくこと。あるいは、「上に行くべき」というパラダイム(固定観念)そのものを転換し、ご自身の価値が最大化される別のフィールドをご提案すること。これらも重要なボトルネックの解消です。
Q. CPASSキャリアへ参画された決め手は何だったのでしょうか?キャリアコンサルタント資格を取得し、自身のキャリア戦略としてCA(キャリアアドバイザー)からRA(リクルーティングアドバイザー)のチームに異動するなど、前職でも新たな挑戦を続けていました。
そんな中、私が心から尊敬していた中園と駒井が前職を去りました。「あの二人が抜けた穴を埋め、業績をV字回復させてみせる」と意気込んでいた矢先、その二人から「一緒にやらないか」と声をかけられたのです。元々ベンチャー志向が強く、0から1を創る環境を求めていたこと、そして前職が次第に数字やKPI重視となり、一人ひとりと向き合う感覚が薄れていたこともあり、彼らについていく決断をしました。
Q. これまでのキャリア支援で、特に印象に残っている事例はありますか?自分らしいご支援だと印象に残っているのは、あるCFOの方の事例です。30代後半の男性で、東京のコンサルで活躍した後に、ご家庭の事情で四国に移住しており、当時の年収は680万円でした。しかし、息子さんが医学部を目指すことになり、「年収を1000万~1500万円に戻したい」とご相談がありました。
私は、いきなり1500万円を目指すのはリスクが高いと判断し、5年かけた2段階のプランをご提案しました。まず関東に戻り、連結決算を担うポジションで800万円台後半へ。そこで実績を積み1000万円に到達したら、私に連絡をいただき、次の1500万円のポジションへ移る、という戦略です。彼はそのプランに「乗ります」と言ってくださり、数年かけて見事に実現されました。CFOクラスの方が私の描いたキャリア戦略を信頼し、実行してくださったことは、非常に大きな喜びでした。
Q. 清水さんは王道のキャリアプランに縛られない支援も得意と聞きました。そうですね。先ほど申し上げた会計士の方々への強いリスペクトがあるからこそ、王道のキャリアをしっかり支えたいという思いがまずあります。一方で、私自身がインド育ちで多様な価値観に触れてきたり、論理ではなく感性でドレス販売に飛び込んだりという「遊び」のあるキャリアを歩んできた人間です。
だからこそ、「会計士の資格に囚われたくない」、「会計職以外のことがしたい」といったご相談や、「独立開業したい」 というご相談が、私には非常に多く寄せられます。リスペクトを前提に、王道も、そして「道を外す」キャリアも、どちらも「いいですね, やってみましょうよ」と後押しできる。「清水さんが言うなら安心かも」と思っていただけるような、そういう相談相手でありたいですね。
Q. まさに「ボトルネック」を解消する支援ですね。カウンセリングで大切にされている信条はありますか?エージェントの支援は、時に「自己満足」に陥りがちです。しかし私は「キャリアのプロフェッショナルは、他の誰でもないご本人自身である」というポリシーを持っています。 「清水さんが言ったから」という理由で決めてしまうと、入社後に必ず迷いが生じます。私はあくまでパートナーであり、ご本人が自信を持って意思決定できるよう支援すること。「自分で決めた」という経験自体が、その方の人生の糧になると信じています。
そのために、監査法人での多忙な日々を経て、少し「自分」を忘れてしまっている方には、「そもそも、どうして会計士になったんでしたっけ?」、「もともとは何がしたかったのでしょうか?」と、ご自身の原点を問いかけることも多いです。会計士になる前の「自分」を思い出してもらう。その自己分析の作業を、私はとても大切にしています。
Q. 現在はマネジメントにも注力されているそうですね。はい。現在はプレイヤーとして最前線に立つよりも、マネジメント、つまりメンバーの成長を後押しすることに尽力しています。CPASSキャリアのカルチャーを浸透させ、目の前のお客様を大切にする姿勢を徹底しながら、メンバーに成功体験を積ませ自信を持たせる。その両立に注力しています。
幸い、私がこれまで業界で築いてきた「相思相愛」と呼べるクライアント様が、私のチームを信頼し、支えてくださっています。一緒に働くメンバーも、感受性が豊かな「いいやつ」ばかり。彼らの個性を引き出し、成長意欲に応えることが、今の私の大きなミッションです。
Q. 最後に、会計ファイナンス人材の方々へメッセージをお願いします。会計という専門スキルは、あらゆるビジネスに通じる強力な武器です。しかし、この業界で働く方々は非常に真面目である一方、ご自身の可能性を過小評価し、キャリアを狭めてしまっていることが少なくありません。
私は、皆さまにとって「キャリアの預け入れ銀行」のような存在でありたいと思っています。 転職を具体的に考えていなくても、「清水さん、この選択でいいと思う?」と、いつでも気軽に相談し、キャリアを預けられる。そんな信頼関係を築いていけたら、これほど嬉しいことはありません。
