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公認会計士の転職について

公開日:2024.05.23

最終更新日:2024.09.05

まずは知っておきたい各種転職チャネルのメリット・デメリット

転職方法そのものはたくさんありますが、自分の要望にマッチした方法を選ぶことが大切です。

世の中には実に多くの転職支援サービスがあります。しかしながら、それぞれの違いや特徴について、しっかりと理解できている人は多いとは言えません。以前は公認会計士を対象にした転職サービスは少数派で限られたものでしたが、最近は様々な企業がこのマーケットを狙って新規参入してきています。そのため、何も知らないと素人同然の担当者に支援をされることにもなりかねませんので、ここでは主な転職方法についての基本情報と、メリットとデメリットについてまとめていきます。

採用HP経由の自己応募

各企業や事務所のホームページに設置されている採用情報ページなどを経由して、自ら応募する自己応募のパターンです。採用側のメリットとしては、何と言っても「コストゼロ」で採用できる点が魅力です。そして、自ら応募をしてきてくれる方というのは、応募時点でモチベーションが高く動機付けの必要が少ないというのも大きなメリットです。しかし、直接、応募をしてくれる人は多いとは言えませんので、採用側のデメリットとしては母集団形成がし難いという点が最大のデメリットとなります。ですので、良い人材が応募してきてくれたらラッキー程度で採用情報をホームページに掲載している企業も少なくありません。一方、採用ホームページが充実している企業は採用活動に対して積極的であり、手間暇とコストをかけていることの表れと言えますので、企業側の採用温度を見極める上でも非常に重要なポイントとなります。反対に応募者側のメリットとしては、採用側のコストがゼロということから、「採用ハードルが若干下がる傾向がある」という点があげられます。つまり、採用コストがゼロなので「それなら採用してみよう」ということも起こり得るわけです。反対にデメリットとしては、情報は全て自ら収集する必要があること、面接対策も誰も力を貸してくれないこと、他にどのような人が応募してきているか全く分からない、などなど、自己応募という言葉通りの自己責任が大きい応募方法となるのが特徴です。

求人情報サイト

求人情報が数万件と大量に掲載されており、「情報量でNo.1」と言えるのが求人情報サイトです。大手人材会社が運営している求人情報サイトは本当にたくさんの求人情報が掲載されており、これだけの求人情報を集められるのは凄いなと関心してしまう程です。しかしながら、やはりこちらにもメリットとデメリットがあります。まず、採用側のメリットとデメリットから考えていきましょう。採用側の立場としては、求人サイトの掲載料を支払うことになるのですが、比較的安価に求人情報を発信することが可能で即効性が期待できるのがメリットと言えます。最近では掲載時は掲載費がゼロで、人材が採用できたタイミングではじめて手数料が発生する「成功報酬型」の求人媒体も一般的となりました。そのため、様々な企業で求人ニーズが発生した際に情報を掲載していきますので、新しい情報がドンドン更新されてすぐに求人情報が埋もれてしまうという事態が発生し易くなります。また、掲載料を前払いで支払ったにも関わらず、全く人材が採用できなかった場合はデメリットしか発生しません。その求人数の豊富さと手軽さがそのままデメリットに直結してしまうのです。応募者側のメリットとしても似たような特徴があり、非常に多くの求人情報から応募求人を検索できるというのが魅力だと思います。しかしながら、掲載情報が多過ぎて何に応募したら良いのか分からない、掲載情報以外には自分で情報収集をしなくてはならない、面接対策をしてくれる支援者もいない、といったように自己応募に伴うデメリットも考えておかなければなりません。

スカウトサイト

登録をしていると、求人企業やキャリアアドバイザー、ヘッドハンター達が、ガンガンスカウトをしてきてくれるのがスカウトサイトです。TVCMでもおなじみかと思います。こちらのサイトは登録をするだけで、自分から積極的にアクションをしなくても相手側から動いて貰えるのが最大のメリットだと思います。ですので、とにかく忙しくてなかなか転職活動に時間を割けない人には非常に便利なサービスだと思います。採用側も自分の方から探しているターゲット人材に対してダイレクトに声をかけることができるというのが大きなメリットとなっており、また、コスト面でも採用が決定した段階ではじめて手数料が発生するという成功報酬型になりますので、最近は非常に有力な採用方法の一つとなっています。採用側のデメリットとしては、自らスカウト活動を行う必要があるため、マンパワーが不足している企業は必要十分なアクションができなかったり、レスポンスが遅くなって機会損失をしてしまったり、使いこなすのに一定の負担感が生じたりコツを押さえる必要があるという点などがあげられます。応募者側のデメリットとしては、待っているだけで声がかかる分、人によっては超大量の連絡が届くようになり、何が何だか分からない状況に陥ってしまう、お目当ての企業からはあまり声がかからずにキャリアアドバイザーやヘッドハンターからのスカウトばかりが届くという事態に陥り易いという点があげられます。

リファーラル採用

最近、特に有力になってきている採用方法です。既存社員の人脈を通じて、自社の採用ターゲットを探り、直接、採用をする方法になります。既に活躍している社員と類似の属性(出身校や前職経歴等)の人材を採用できるため、定着性が高く活躍するであろう人材を採用できるばかりか、求人媒体への掲載料や転職エージェントに支払う紹介手数料などもかかりません。そこで浮いたお金を人材を連れてきてくれた社員や入社してきてくれる人材に還元して、インセンティヴとする会社も多くなっています。メリットしかないように感じるリファーラル採用ですが、既存社員が会社に対してコミットしていない職場であれば、いくら会社側が知人を連れてきてと指示を出しても全く現場は動きませんし、せっかく連れてきてくれた知人を面接で落とすことになると双方に気まずい状況となり、せっかく良好だった既存社員との関係すら悪化するリスクがあるという諸刃の剣的な要素があります。採用した後に、思うような活躍ができずに早期退職に至ってしまった場合なども深い傷痕が残ります。

ヘッドハンター

ライバル企業で活躍している人材や、有名な人材、新規参入しようとしている分野のリーダー的人材などを、採用希望企業がスカウトを依頼するサービスになります。採用企業はヘッドハンターにまずは着手金(リテーナーフィー)を支払い、マーケット調査をさせたり、勧誘活動をさせます。そして、無事に採用決定・入社となった場合に、また高額の成功報酬(サクセスフィー)を支払うという採用モデルになります。対象ターゲットとなる人材レイヤーは、超ハイクラスの役員や部長クラスといった人材がメインになりますが、エンジニアなどであればスキルベースでターゲットとなることもあります。また、最近はヘッドハンターが以前と比較するとコモディティ化したこともあり、比較的若年層の人材もヘッドハンターからハンティングされる傾向も強くなりました。スカウトされる人材としては、まずヘッドハンターから声がかけて貰えるという時点で自尊心が高まりますし、ほとんどの場合が現職の年収より大幅なUPとなる条件提示をされるので、転職をする気がない時でも転職をしても良いかなという気になるのではないかと思います。思いもよらぬ企業からスカウトをされることで、人生の選択肢が大きく広がるということもあるかも知れません。しかしながら、ヘッドハンターはあくまで採用企業の味方です。なぜなら着手金や高額な成功報酬を与えてくれるのは採用企業側ですし、その意向に応えることが最大のミッションとなるため、スカウトされる側のことはどちらかというと優先順位が下がってしまうのも事実です。ヘッドハンティングされて幸せになる人も決して少なくはありませんが、反対に転職をする気もなかったのに流れで転職することになり、その後、成果を出せずに失敗の転職となってしまうようなケースもないわけではありませんので、十分な注意が必要かと思います。

総合型エージェント

主に大手人材系企業が提供している人材紹介サービスです。一部例外はあるものの、ほぼ全てのあらゆる業界・職種を対象にしていることが特徴で、利用対象となる地域も企業も人材も幅広いので総合型と呼ばれます。採用企業側のメリットとしては、自社の様々な職種の採用に関して一気に求人依頼をかけることができますので、複数のキャリアアドバイザーとやり取りをする手間を省けるというメリットがありますし、何より登録者数が非常に多いので、多くの候補者を推薦して貰える可能性が高いという点があげられます。一方で、求人数も登録者数も多いので、流れ作業で人材が送り込まれている感も否めず、求人要件に合致していない人材の推薦が多かったり、面接調整をしてもキャンセルされるリスクや、内定を出しても簡単に辞退されるというデメリットもあります。転職者側としても、同様に多くの求人数を紹介して貰うことができますが、必ずしも自分にマッチしない求人も大量に紹介されることも多いので、自分の転職活動の軸が決まっていないと応募すべき案件の選定ができない状況に陥ってしまいます。また、比較的短期間(3ヵ月以内)で転職したいという方でないと、段々と担当者から相手にされなくなって情報を得られなくなってしまうという傾向も強いと言われています。自分の転職活動の軸がハッキリとしており、3ヵ月以内に積極的な転職活動を行う予定で、多くの案件から自身の可能性を探りたいという方には良いサービスだと思います。

専門特化型エージェント

医療系、教育系、コンサル系、金融系といった業界であったり、エンジニア、医師、弁護士、管理部門(経理・人事・法務等)といった職種に特化した人材紹介会社のことを言います。CPASSキャリアは、会計業界に特化をしたエージェントです。専門特化型エージェントのメリットは、何といってもその専門性の高さが売りになります。限られた業界や職種のことをひたすら探求しているので、実際にその業界で働いている方々より細かいことを知っていることもあるのではないかと思います。また、限られた業界で活動するエージェントは自ずとその人脈も広く深くなっていくので、対応者の熟練度が高ければ高い程、豊富なネットワークを持っているということが言えます。採用企業にとっても、求職者にとっても、この高い専門性は大きなメリットとなることは間違いありません。一方で、専門分野外のことについては詳しくない傾向が強いため、一括で全ての職種の採用を依頼するといったことができず、必要に応じて複数のエージェントを使い分ける必要が生じるというのが採用企業側のデメリットと言えます。求職者側としては、総合型と比べると求人数が多くないこともありますし、大手エージェントとしか契約をしない大手企業の求人を持っていない場合もありますので、大手企業を含む大量の求人情報を収集したいという希望を持った方には向きません。専門特化型エージェントの特徴をしっかりと理解した上で、相性の良いキャリアアドバイザーと時間をかけてキャリアについて考えていきたいという方にマッチするのではないかと思います。

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