会計知識を持つ若手人材の採用が組織全体のスキル底上げに──電通総研がCPASSキャリアを通じて、公認会計士受験経験者の採用を継続する理由

公開日:2026.09.10

最終更新日:2026.09.10

株式会社電通総研の岩瀨様・荻原様・金子様

テクノロジーの力で企業と社会の進化を支える株式会社電通総研。同社は、事業の中核を担うエンタープライズ領域において、連結会計ソリューション「STRAVIS」を長年に渡り、数多くの上場企業に展開しています。その“STRAVIS”を手掛けるエンタープライズ会計ソリューション本部では、会計業務全般に関する深い知見と高度なITスキルを兼ね備え、お客様の経営管理業務を支援できる人材が求められています

会計系システムの導入では、単に機能を説明するだけでは十分ではありません。 「この機能が連結決算業務のどのプロセスに効くのか」「機能を利用いただくことで、お客様の業務をどう効率化できるのか」といった視点が必要です。そのため、会計業務への理解は欠かせません。

そうした中、電通総研ではCPASSキャリアを通じて、公認会計士試験の短答式試験合格者をはじめとする会計知識を持つ若手人材の採用を開始しました。実際に採用された人材は、入社後早期からBPO業務(Business Process Outsourcing:企業の業務プロセスの一部を外部が担い、運用を支援するサービス) やSTRAVIS導入支援、営業支援の現場で活躍。会計知識を持つ若手が加わることで、本人の即戦力性だけでなく、周囲の会計スキル向上にも良い影響が生まれています。

今回は、株式会社電通総研 コーポレート本部の岩瀨様、エンタープライズ会計ソリューション本部の荻原様、そしてCPASSキャリアを通じて入社された金子様に、採用の背景やCPASSキャリアを活用した理由、入社後の変化について伺いました。

電通総研様プロフィール(写真左から)

  • 岩瀨(イワセ)様:コーポレート本部 人材開発部
  • 金子(カネコ)様:エンタープライズ会計ソリューション本部 連結会計コンサルティング1部
  • 荻原(オギハラ)様:エンタープライズ会計ソリューション本部 ユニット長

会計系システムの導入では、会計知識がなければ顧客と深く会話できない

ーーまず、STRAVISの概要と、エンタープライズ会計ソリューション本部の業務について教えてください。
荻原様:STRAVISは、主に上場企業の経理部門や経営企画部門向けのシステムです。中心となるのは、四半期ごとに行われる連結決算や開示に関わる仕組みですが、現在はそれだけにとどまりません。月次決算、予算管理、見込管理といった管理会計領域に加えて、近年はサステナビリティや非財務情報の領域までカバーしています。

私たちの部門では、STRAVISの企画、製品開発、営業支援、導入、保守、教育、BPOまで幅広く担っています。お客様はプライム上場企業を中心とした大企業で、業種も特定の領域に限らず、幅広い企業にご利用いただいています。

ーー一般的なシステム導入担当者と、会計系システムの担当者では、求められる知識やスキルにどのような違いがありますか。
荻原様:大前提として、お客様と会話する場面で会計知識は必須です。たとえば導入コンサルタントとして製品機能を説明する際、単に「こういう機能があります」と伝えるだけでは十分ではありません。

「この機能が連結決算業務のこのプロセスに効きます」「その結果、お客様の業務がこう効率化されます」というように、会計業務の視点で説明する必要があります。

機能説明だけであれば、動画やマニュアルを見れば分かります。電通総研が求める導入コンサルタントの品質としては、お客様の業務を理解したうえで提案できることが重要です。

また、お客様の課題に対して「この機能を使えば効率化できます」と提案するだけでなく、「その機能を使うためには設定や運用が複雑になります。それなら一部の業務を手作業で残した方が、トータルでは効率的ではないですか」といった判断も求められます。そこには会計知識に加えて、コンサルタントとしての資質も必要になります。

株式会社電通総研 エンタープライズ会計ソリューション本部の荻原様


新卒採用の拡大に伴い、会計知識を持つ若手人材の必要性が高まった

ーーCPASSキャリアを活用される以前、採用や育成ではどのような課題がありましたか。
荻原様:当社では新卒採用者に対して、ITスキルを中心とした研修を実施しています。その中に一部、会計の内容も含まれています。ただ、エンタープライズ会計領域に配属された後は、より深い会計知識の習得が必要になります。

以前は、会計の本部として採用する新卒人数が今ほど多くなかったため、全員が会計未経験でも、現場で教育していくことができました。しかし、採用規模が拡大してくると、会計知識がほぼゼロのメンバーばかりが増えることで、現場側の教育負荷が大きくなります。加えて、OJTを担う中堅層の工数にも限りがあります。

そのため、新卒の中に一定割合、最初から会計知識を持っている人材を迎え入れたいという考えがありました。一から会計を教えなくても、すでに会計の土台がある人材が加わることは、組織全体にとって非常に大きな意味があります。

ーー短答式試験合格者に注目されたきっかけは何だったのでしょうか。
荻原様:もともとキャリア採用で入社して活躍しているメンバーの中に、短答式試験合格者が一定数いました。短答式試験合格者は、正式な資格保持者ではないため、世の中的にはその価値が分かりづらい面もあると思います。

しかし、実力としては十分な会計知識を持っている層だと感じていました。一方で、キャリア採用の場合は、どうしても一定の業務経験が必要になります。知識は持っているけれど、社会人経験はまだない。そうした人材を新卒として採用できるのであれば、会計を扱う本部としては非常にありがたいと考えました。

新卒であれば、人事側がきめ細かい育成プログラムを用意しています。会計知識を持つ人材を新卒採用のプロセスに乗せられることは、現場の育成負荷を抑えながら、会計スキルの高い若手を迎えられるという点で、大きなメリットがありました。


CPASSキャリアを通じて出会った「会計知識を持つ新卒人材」

ーーCPASSキャリアを知ったきっかけを教えてください。
岩瀨様:最初は、キャリア採用の一環でお話をいただいたことがきっかけです。その中で、「短答式試験合格者を第二新卒的な扱いではなく、新卒採用ルートとして採用している企業もあります」とご提案いただきました。そこからキャリア採用チームを経由して、新卒採用チームに話がつながりました。

当社の新卒採用は、あくまで全社の採用基準に沿って行っています。短答式試験に合格しているからといって、特別に基準を下げることはありません。エントリーシート、適性検査、一次面接、二次面接、最終面接という通常のプロセスの中で、コミュニケーション力、主体性、誠実さ、カルチャーマッチ等をしっかり確認しています。

ーーCPASSキャリアを継続して利用されている理由は何ですか。
荻原様:実際に採用したメンバーが、現場でしっかり活躍しているからです。会計知識のない新卒メンバーと比べると、立ち上がりが早いことは実績として見えています。

たとえば導入コンサルタントとしてお客様とディスカッションする際、資本連結やキャッシュ・フローなど、難易度の高い論点が出てくることがあります。通常の新卒メンバーだと避けがちな論点でも、CPASSキャリア経由で入社したメンバーは積極的に拾ってくれます。会計士メンバーと一緒にチームを組む際にも、ベースとなる会計知識があるため、議論への参加や資料作成を任せやすい。会計知識のない新人とは違う立ち上がりを見せてくれています。

もう一つ大きいのは、周囲への良い影響です。公認会計士の有資格者をキャリア採用で迎えた際には、会計未経験の新卒メンバーからすると「すごすぎて太刀打ちできない」と感じてしまうこともありました。

一方で、短答式試験合格者は年齢や立場が近い若手として入ってくるため、周囲にとっても身近な刺激になります。「自分たちもこのくらい会計知識を身につけなければ」という良い影響が生まれています。

株式会社電通総研の岩瀨様


「既卒だから軽視される」不安を、CPASSキャリアが受け止めてくれた

ーーここからは金子様に伺います。公認会計士を目指されたきっかけを教えてください。
金子様:商業高校から大学に進学し、その後、電通総研に入社しました。公認会計士を目指したきっかけは、大学で何か一つ大きな挑戦をしたいと思ったことです。その考えの基で、高校時代に日商簿記2級まで取得していたため、その延長線上でより専門性の高い公認会計士を目指すようになりました。

短答式試験は大学3年生の12月に2回目で合格しました。論文式試験は在学中に1回、大学卒業後に、2回受験しました。もともと自分の中で「3回目で結果が出なければ就職する」と決めていたので、論文式試験の3回目を受けた後に就職を考え始めました。

ーー事業会社への就職を考え始めたとき、不安はありましたか。
金子様:正直、すっきりした気持ちが大きかったです。受験生活が長くなると、会計士受験に囚われているような感覚もありました。そこから「就職しよう」と切り替えたことで、新しい方向に進める感覚がありました。

不安が少なかった理由の一つは、CPASSキャリアの存在を知っていたことです。自分の受験経験を評価してくれる企業もあるのではないかと、漠然と思えていました。

ーーCPASSキャリアを利用してみて、どのような印象を持ちましたか。
金子様:最初に相談したときから、とても真摯に向き合ってくれる印象がありました。私の希望を最大限尊重しながら、現実的な部分も隠さず伝えていただけたことが良かったです。一般的な転職・就職サービスでは、既卒の人材は軽視されがちだと感じる場面もありました。私自身、既卒2年目という属性だったので、その点で少し不安もありました。

一方でCPASSキャリアは、会計人材に対する理解が深く、受験経験の価値をきちんと見てくれる。そこが大きな違いだったと思います。担当エージェントの方とのやり取りで印象に残っているのは、志望度の高い企業から内定をいただいた場合にどうするか、一緒に考えてくださったことです。

文面だけではなく、対話で一緒に悩みたいと言ってくださいました。ファーストキャリアという人生の岐路に、最後まで真摯に向き合っていただいたと感じています。


会計×ITのスキルが活きる環境で、入社後のギャップなく活躍

ーー電通総研を選んだ決め手を教えてください。
金子様:決め手は、雰囲気、待遇、スキルマッチ度の3点です。まず、説明会や面接での雰囲気が明るく、和やかだったこと。次に、給与面だけでなく、新卒として採用されたことが個人的には大きかったです。既卒として就職活動をしていたので、新卒として他の同期と同じように新人研修を受けられることに魅力を感じました。

そして、会計知識に加えて、高校時代に取得した基本情報技術者試験の知識も活かせると感じました。会計とITの両方に関われる仕事が、自分にフィットしていると思ったことも大きな理由です。

ーー入社後のギャップはありましたか。
金子様:ギャップは特にはありませんでした。入社後は、他の新卒メンバーと同じように研修を受けました。会計人材の採用という特別な色を感じることはなく、あくまで一人の新卒社員として経験を積めたという印象です。

一方で、良い意味での違いはありました。研修中に会計知識について周囲から頼られることもあり、教える側に回る場面もありました。そこは他の同期とお互いに良い刺激になっていたと思います。

ーー続いて、現在の業務について聞かせてください。
現在は大きく分けて、BPO、STRAVIS導入案件、営業支援の3つの業務に関わっています。BPOでは、STRAVISを導入いただいているお客様の経理業務を支援しています。導入案件では、要件定義の議事録作成や設定検証を行い、営業支援では新規顧客に対してデモンストレーションなども実施しています。

公認会計士試験の学習で培った知識は、キャッチアップの速さに活きていると感じます。新人がプロジェクトに入ると、プロジェクトマネジメント、システム、会計の3つを学ぶ必要があります。その中で、会計の素養があることで、早く会計部分の業務を理解できる場面が多くありました。

ーー仕事のやりがいを感じる瞬間はありますか。
金子様:特にBPO業務では、顧客側の財務経理担当者と直接やり取りする場面が多くあります。そこでやりがいを感じるのは、良い意味で「顧客とベンダー」という関係ではなく、同じチームとして一丸となって決算対応を行っていく感覚があることです。

そのため、会社の垣根を越えて、お互いをリスペクトしながら伴走できている。その関係性に魅力を感じています。

株式会社電通総研の金子様


公認会計士受験経験は、会計に関わる業務で大きな強みになる

ーー公認会計士受験生の採用を迷っている企業へ、実際に採用してみての率直な感想をお願いします。
荻原様:短答式試験合格者を前提に言えば、簿記1級以上の会計スキルを持っていること、そして公認会計士試験に本気でチャレンジした経験があることは、会計に関わる業務において大きな強みです。

新卒から1年、2年、3年と年齢が経っている場合もあるかもしれませんが、社会人になれば数年の差は大きなギャップではありません。会計知識があり、難関試験に挑戦した経験がある。ビジネス上、プラスにしかならない要素だと思います。

ーー会計系システムの導入やカスタマーサクセスで、人材育成に悩む企業に向けてメッセージをお願いします。
荻原様:会計をキャリアの軸として考えている若い社員がいることは、組織として会計スキルを底上げするための成功要因の一つです。本人が即戦力として活躍するだけではなく、周囲の若手にも良い刺激を与えてくれます。

私たちとしても、短答式試験合格者をはじめとする会計知識を持つ若手人材の採用は、今後も継続していきたいと考えています。

ーー最後に、事業会社への就職を迷っている公認会計士受験生へメッセージをお願いします。
金子様:会計士受験生にとって、就職への切り替えは非常に大きな決断だと思います。数年かけてきたものが崩れるように感じることもあるかもしれません。

ただ、時間的・金銭的なコストが許す限りチャレンジをして、そのうえで自分の中に「就職」という選択肢が浮かんできたら、CPASSキャリアに相談してみるのが良いと思います。自分の受験経験を理解してくれる人と一緒に考えることで、納得感のあるキャリア選択につながると思います。

株式会社電通総研の岩瀨様・荻原様・金子様


会計人材の採用・キャリア支援を行うCPASSキャリア 

CPASSキャリアは、公認会計士受験経験者をはじめとする会計人材と、会計・経理・管理部門領域の採用課題を持つ企業をつなぐキャリア支援サービスです。公認会計士試験に向き合ってきた経験や、会計知識を持つ若手人材の可能性を理解したうえで、企業側の事業内容・採用背景・求める人物像に合わせたマッチングを支援しています。

会計知識を持つ若手人材を採用したい企業にとっても、受験経験を活かせるキャリアを探す求職者にとっても、双方が納得できる出会いを生み出すことを目指しています。

CPAグループは

CPAグループは
会計ファイナンス人材の
キャリアをサポートし続けます